ピッチャーが必ずやるべきトレーニングと実践的な練習法

練習
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野球の勝敗は「ほぼピッチャーの出来によって大きく左右される」

こんなことがよく言われていますし、私も同感です。

現代の野球界の発展は著しく、高校生でも150kmを計測することが当たり前になってきており、特にピッチャーは球速・変化球・コントロール・スタミナ…あらゆるスキルを向上させなければなりません。

中でも投手スキルの中で、多くの方が重要視しているのが「コントロール(制球力)」です。

とはいえ、以下のような方も多いと思います。

  • 自分に合ったトレーニングがわからない
  • SNSやYouTubeが盛んになってきた現代、情報が多すぎて何から始めていいのかわからない

「ピッチャーが最優先で行うべきトレーニングの紹介」や「実践的なトレーニングの紹介」など、ピッチャーの役立つトレーニング方法を具体的にご紹介していきます。

ピッチャーに最重要なトレーニングは「体幹」

体幹トレーニング

体幹とは?

体幹とは文字通り体の幹のことで、身体の軸となる部分です。おもに「頭と手足を除く胴体の部分」を指します。

この体幹は、野球以外のスポーツにおいても重要視されていて、運動機能の向上に繋がるとも言われています。

体幹トレーニングの役割

体幹を鍛えることで、打ったり・投げたり・走ったりするための動作で腕や脚を使うときに、身体(胴体)の安定感が増します。

特にピッチャーに関しては、体幹が不安定だと投球フォームが不安定になり、スピードやコントロールが定まりません。体幹が弱いと上半身に頼って力ずくで投げてしまい、肩や肘を故障する原因になります。

体幹を鍛えることで得られる効果

では体幹を鍛えると、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。

あくまで一例ですが、以下のような効果が期待できます。

  • 球速、制球力アップ
  • スタミナが付く
  • 足を上げたときに軸足一本でブレない
  • 球が重くなる (重心が球に乗っかり体重移動が上手くなる)
  • 怪我をあまりしなくなる

などなど、いいことだらけですよね。

また例外で、以下のようなこともありました。

  • 姿勢が良くなる
  • 打撃が抜群に良くなる
  • コーチに走り方を褒められる

体幹は目に見える部分ではありませんが、根気よく鍛えれば効果は絶大なので、日々の練習に取り入れるべきです。

体幹トレーニングのご紹介

それでは、ここからは体幹の鍛え方を紹介していきます。

体幹トレーニングをすることで、たとえば下半身トレーニング(スクワット)をする際にも、体幹軸がしっかりしているぶん、正確に鍛えることができます。他のトレーニングとの相乗効果が期待できるのです。

ピッチャーに限らず必要となるトレーニングなので、ぜひ覚えておきたいですね。

プランク

  1. 腕立て伏せの姿勢をする
  2. 肘を肩幅に開く
  3. 頭からおしりまでが一直線になるようにして姿勢を作る

肩や腕に力が入らないようにして、お腹を引き締めた状態で姿勢保持をするのがポイントです。30秒から1分を3セット行います。

プランクは体幹トレーニングの定番です。地味に見えますが、やってみるとかなりキツいです。

まずは30秒3セットを毎日継続するようにしてみましょう。

サイドエルボーブリッジ

  1. 横向きに寝る
  2. 肩から足首にかけて一直線になるような姿勢を作り、肩の下に肘を置く
  3. 足と肘のみ床につけて上体を持ち上げる

身体がねじれたり、猫背になったりしないように注意してください。左右交互に30秒から1分を3セットずつ行います。

わき腹の腹斜筋に負荷がくるので、プランク同様、こちらもかなりキツいです。わき腹に意識を集中して行います。

サイドエルボーブリッジ (レッグレイズ)

  1. 横向きに寝る
  2. 肩から足首にかけて一直線になるような姿勢を作り、肩の下に肘を置く
  3. 上にきている足を上げ、頭から足首へ一直線になる位置でキープする

サイドエルボーブリッジと同様の姿勢を作ります。フラついたりせず、そのままの姿勢を保ってください。左右交互に30秒から1分を3セットずつ行います。

腹斜筋と腹横筋のトレーニングです。足を上げるというより、腹部に力を入れて足を浮かせる感覚で行うと効果的だと思います。

これらの体幹トレーニングを日々繰り返すと、身体の軸ができて投球動作に良い影響が出ます。

具体的には、体全体を使ってボールを投げられたり、試合終盤になっても投球フォームが不安定にならないといった期待が期待できます。

まずは体の基礎となる部分を鍛えて、そこからウエイトトレーニングや、より実践的なトレーニングに移るべきです。

実践的な練習法はオリジナリティが大事

これまで体の軸となる「体幹」についてご紹介してきました。次は、より実践的なトレーニング方法(オリジナル)を紹介いたします。

テニスラケットを使ってシャドーピッチング

日頃ピッチャーの練習法の中で、シャドーピッチングは欠かせません。

よくタオルを使ってのシャドーピッチングは認知されていると思いますが、風の抵抗を受けることが少ないラケット(バドミントン用でも可)を使ってのシャドーピッチングをおすすめします。

メリット

  • しっかり上から叩くイメージが付く
  • 手首と肘の使い方が上手くなる
  • 怪我予防に繋がる

プロ野球選手でも試合前にこういった練習を取り入れており、どのタイミングで工夫したトレーニングを取り入れるかも大事なポイントかもしれませんね。

サイドスロー、アンダースローは例外となります。

仰向けの状態で上に向かってボールを投げる

床に寝転がり、そのまま真上にボールを投げる練習です。野球人であれば、遊びで一度は行なったことあるのではないでしょうか。

意外かもしれませんが、この練習法はかなり重要で、リリースポイントが一定でなければ思うように投げられません。

メリット

  • 指先の感覚を養う
  • ボールの回転をつかむ

プロ選手でも遊びの延長で取り入れていることが多く、実例としてメジャーリーガー・大谷翔平選手が日頃から練習で取り入れていることが知られています。なんと、垂直に30mも投げられるそうです。

助走をつけて30m~50mの距離で低遠投

これは30m~50mの距離間でのキャッチボール時に、勢いよく助走して中距離間で思い切り投げる練習です。

上半身をリラックスさせ、低い弾道で伸びるボールを投げることを意識し、大事なポイントは「山なりのボールを投げないこと」です。

長い距離を投げる遠投も大事ですが、腕を振ることを体感する重要性から、この練習法は大切です。

メリット

  • 体全体を使って投げられる
  • 思い切り腕の振りが良くなる
  • ボールのキレが増す

最初は球が垂れてしまうと思いますが、慣れると軽く投げていてもキレの良い伸び球が投げられるようになります。

ピッチャーによっては、ブルペンに入って調子が良くないと思った際に、この練習法を行ってからピッチング練習を再開するだけでかなり感覚が違うなんてこともあるそうです。

まとめ

ピッチャーのトレーニング方法をいくつかご紹介してきました。

トレーニング方法は無数にありますし、ご紹介しているのも私が知っている一部にすぎません。自分に合ったトレーニングを見極めて、的確に行う必要があります。

好奇心旺盛な性格の投手のほうが、成長スピードが速いなんてことも言われています。我流より、どんどん新しいものを取り入れることをおすすめします。

まずは体幹を鍛え「身体の軸」を作ることを最優先で行い、続いてあらゆるトレーニングを取り入れるようにしてみてください。

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